ホームへ
Home

■タイトル別index
英数字                     
タイトル検索Google




■ 『ダンシングヒーロー』
■ 『天と地と』
■ 『トロイ』



『ダンシングヒーロー』
★★★★☆
監督:バズ・ラーマン
脚本:クレイグ・ピアース
音楽:デビッド・ハーシュフェルダー
出演:ポール・マーキュリオ / タラ・モーリス / ビル・ハンター / パット・トンプソン / バリー・オットー
1992年豪映画/?分



ダンシングヒーローはB級映画なので、周りでは全く知る人がいない、その程度の映画です。 この映画を見た頃、私はスペイン語を大学で習っていたのですが、ちょうどこの映画でも、 スペイン語と英語が出てきて、「おっ、こりゃちょっと勉強になるかなw」と、楽しめました。 吹替え版と字幕版の両方を見たことがありますが、字幕で見るのをおすすめします。 というのも、日本映画で役所こうじが出演している『Shall we dance ?』で最後に女優が 「Shall we dance ?」と言いますよね。どうも私はあれには違和感を感じていて、 特に感動することがなかったのですが、それもそのはずで、なぜ最後だけ英語?と思いますよねw だって、「踊りませんか?」でいいじゃないですかw この『ダンシングヒーロー』でも同じように最後に「Shall we dance ?」と言うシーンがあり、 この映画ではかなり感動できます。 もしかしたらこの『ダンシングヒーロー』のパクリで『Shall we dance ?』ができたのではないだろうか という気までしてきます。 リメイク版の『Shall we dance ?』でもいまいち感動できませんでしたが、 この『ダンシングヒーロー』は、音楽による耳での感動と、ダンスによる目での感動が とっても期待できます。 物語も、パートナーとの関係や、父親との関係など、わりと奥が深い設定もあり、最後の最後にその謎も解き明かされるなど、 面白さがあります。(小助)




『天と地と』
★☆☆☆☆
原作:海音寺潮五郎 監督:角川春樹
出演:榎木孝明、津川雅彦、浅野温子、財前直見、野村宏伸、夏八木勲、渡瀬恒彦
1990年日本映画/119分



 10年以上前に一度見たけどもう一度見たいと思って見ました。当時でこんだけの大作を作る角川春樹の個人的力はすごいです。覚せい剤で捕まりましたけど。「敦煌」といい「天と地と」といい、舞台となる時代は私のツボにはまりまくりです。この映画はカナダで撮ったらしく、もう日本にはない大平原や川原での赤と黒の武者たちが大河のように動く合戦シーンは胸が躍ります。そしてところどころの映像美が凝ってます。桜が舞う様や、雪の山道、春日山城の威容、兜や鎧の重厚さ、特にオープニングで謙信が丘に立つ様はかっこよすぎる!の一言です。

 ただ惜しむらくは戦闘シーンのアップ。切りあいに緊迫感がない、刀で切りつけても血が出ない、馬上で腰が跳ねちゃってて、まともに切りあえてないなど、多々ありました。CGがないと表現できないようなところは、やはりトロイやロードオブザリングといったハリウッド映画を見た者には物足りませんでした。
 農民が全く出てこなかったり、戦争の汚い部分が欠けてて、ひたすら美しく撮っていたところもマイナス点です。歴史映画なのだからある程度リアルを意識して撮らないと映画に説得力が出てこずにその世界にのめりこめません。この点でトロイより酷いです。
 いつかCGを駆使した大軍勢と生々しい現実的な戦国映画が誕生することを願っております。(ラストの小室哲也は何も言うまい・・・)
(官兵衛)




『トロイ』
★★☆☆☆
原作:ホメロス「イリアス」 監督:ヴォルフガンク・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット、ローズ・バーン、ピーター・オトゥール、エリック・バナ、サフロン・バロウズ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー、ブレンダン・グリーソン、ブライアン・コックス、ショーン・ビーン、サフロン・バロウズ
2004年アメリカ/163分



 あの傾国の美女ヘレンをダイアン・クルーガーというドイツ人女性が演じました。彼女が美女かどうかは置いといて、金髪とプライド高そうな目によって悪女らしさは出ていました。ただ、この当時のギリシャ人って金髪じゃないと思うんですが・・・。 ホメロスの「イリアス」が原作なのですが、あらすじはウィキでも読んでください。

映画の中で一番へタレだったパリスですが、実はイリアスの中ではアキレスの足首を射抜いて殺してしまいます。つまりパリス最強w イリアスでは王族のアイネイアスという人物が脱出するのですが、映画では落城する時に剣を託された人物が出てくるので、この人がアイネイアスということでしょうね。ちょっとしか出ませんでしたね。ウェルギリウスの「アイネアス」で主役になっているというのに。その中で彼は脱出後舟でカルタゴを経由しイタリアに定着します。その子孫がローマ建国の兄弟ロムルスとレムスになるのだそうです。当然眉唾ものですがロマンがありますね〜!

ちなみにイリアスの中では、トロイを落とし凱旋したアガメムノンは浮気していた妻のクリュタイムネストラに刺殺されてしまいます。戦をともにしたオデュッセウスは帰国の途中で遭難して大変な目にあったりして無事妻のもとへ着きます(この間の冒険譚がホメロスの「オデュッセイア」)。ヘレネとメネラオスは元の鞘にもどり早々に帰国、幸せな老後を暮らしました。正直ついていけませんw

時代考証については、結構良かったと思います。軍装や軍船はかっこよかったですよ。しかし、古代ローマよりも昔の時代にあれほどの城壁を作るのはありえないと思うのですが・・・。船も多すぎでしょう。都市もでか過ぎです。それにしても一人の女性のせいで戦争起こすなんて、感情移入できないよ!アキレスも酷いヤツだし!好感をもてたのはヘクトルだけです。ちなみにトロイ国の都市名がイリアスなんですが、シュリーマンらの発掘によってイリアス自体は何度も破壊され再建されたことがわかっています(シュリーマンはイリアスを発見したと言われていますが、彼が発掘したのはイリアスよりも古い遺跡で、彼が発掘のために壊した遺跡がイリアスだったと言われています。)。なぜ破壊と再建が繰り返されたかと言うと、イリアスは黒海と地中海を結ぶ海峡の入り口に位置していたため、貿易によってかなり栄えていたらしく、周辺部族から繰り返し略奪されたのではないかと言われています。この映画もイリアスの富に目をつけた部族による侵略と描いていたらたぶん感情移入できたと思います。(官兵衛)